あしなか石

由布市狭間にある小倉山山頂の巨石群。
大将軍神社の元宮と思われる。

この岩は、実は十数メートルもある巨岩。

風化は進んでいるが、杯状穴も見てとれる。落書きも多い。

落書きではないと思われる彫りこみもある。

方位を表すのだろうか。南北を指す。
あしなか石由来記
昔、この小倉山山麓の篠原村に与助という律儀な働き者の若者がおりました。その与助はこともあろうに、庄屋のきれいな一人娘と恋に落ちました。
ところが庄屋の父親は、二人の仲をなかなか許してくれません。けれども二人のあまりの真剣さに、庄屋は「あの岩壁の上に乗っている“スガメ”の上で“あしなか”を一足作りきったら二人の仲を許してやろう」と約束をしました。見れば百数十メートルの断崖絶壁の上に“スガメ”の大岩が乗っています。下を見れば眼もくらむばかりで、大分川の急流が岩をかんでおり、これまでこの大岩に乗った者は誰もおりませんでした。
しかし、与助の一念は天に通じたのでしょう、人々の危ぶんで見ている前で、見事に一足の“あひなか”を作り上げました。
ようやく二人は許され、めでたく結ばれて子宝にも恵まれ、一家は栄えたそうであります。
以後、この岩を「あしなか石」と呼ぶようになったと言い伝えられております。

“あしなか”とは農作業に使用する藁草履の一種で、足の裏の半分位のおおきさのもの。
“スガメ石”とは、この小倉山と、西南方の小野の台のみに産する石で、古代より石垣・家の基礎・石段・かまどなどに使用され、耐熱性に優れた石材です。
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